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そこで見つけたのは、見知らぬ顔の人物だった。 なんと、人物は廊下に座り込み、しかめ体育座り。 何で廊下なんかに座り込んで体育座りなのかな…? 多少、不思議に思ったが今は目の前に迫り来るモノから逃れる事が先決だ。 逃げるが勝ちだ! そう考えて僕はこの場所(立ち止まり絡まれている)に踵を返し、彼等には目も繰れず小走りに。 去り際、後ろから僕を呼ぶ声が聞こえてきた。だけど、相手には見向きもせずそのまま走り続ける。 「…ふぅ。」 追いかけてくるかな、と思っていたけど、意外にも彼等は追いかけて来なかった。 そんなこんなで一人考えていれば、もうすぐ“彼”の居る場所だ。 駆け寄り、声を掛ける。 「どうしたの?」 「…え‥?」 うわ…っ! 彼が振り向いた時、思わず息を呑んだ。 凄く、綺麗な子… 生まれてきてから、初めてだと言っても過言ではない。 それほどに、目の前に座っていた相手の容姿、特にその顔は今まで視てきたどんな人達よりも、綺麗で美しかったのだ。 ふふふっ…! 嬉しいな。僕に釣り合う人、 …やっと見つけた――― 環蒼井目線.完
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