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「ふう…しょ~!ここが食堂だよっ!」 そのひと言でどこかに行ってしまいそうだった頭が覚醒してくる。 「…‥しょく、堂‥?」 「うん。食堂に到着っ!」 長かった… 前なら教室に近い階段を下りれば真下に食堂だったのに 「…遠い…ね‥」 「あはは…確かに、ちょっと遠いのかもね?」 『かもね?』 なんて、普通に過ごしていた俺達みたいな者なら、絶対に言えない台詞だろう。 普通なら…きっとそのはず。 そういえば、気になることをいくつか発見した。 食堂の建物までもが、どこかの高級感有り溢れている。 おまけに中を覗けば…やはりどこかの高級ホテルやレストランにしか見えない。 本当に俺みたいな凡人がこんな建物が普通にある学校に通っていいのだろうか。たちまち不安の波が押し寄せて堪らない俺の心。 (…まぁ、何とか‥なるか…) ――と、不安の心とは裏腹に、それを簡単に跳ね返す部分もあるのだった。
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