39/44
前へ
/174ページ
次へ
―キィ…ッ…― 入口には大きくて紅い扉。 壁際には、小さめの小窓が幾つか付いてある。 因みにさっき、俺が中を覗けたのはその小さい小窓があったお陰だ。 俺と蒼井は目の前にそびえ立つ、紅い大きな扉の前で立ち止まり、蒼井が扉を押し開く。 開いたその先にはいくつあるのかも分からない位の椅子やテーブル。それには、染み一つない真っ白なテーブルクロスが敷かれている。 「‥蒼井、?」 「しょ―、どこに座ろっか?くすっ…ご希望は?」 小さな手を俺に向けて差し伸べて、可愛いく微笑む相手。まるで執事みたいな口調で。 「…んっ…あそ、」 「おや?蒼井じゃないですか。珍しい…」 誰かの出現と台詞により途中で止まってしまった。 だれ…? 後ろを振り向いてみると、そこにはまたも美形。しかもかなりの美人さん。 「あれ―?あやちゃんだっ!」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2034人が本棚に入れています
本棚に追加