我ハ愚者ナリ。

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「ふぅん」 一大事ではないと分かって、僕は少し安心した。 「じゃあ、ママはお義母さんの家に行ってくるから。海琴も出掛けるなら、戸締まりだけはちゃんとしていってね! あっ!あと、冷蔵庫の中にあなたの朝ごはんを入れて置いたから、食べなさいよ」 母さんが玄関に向かったので、僕も何となくその後をついていく。 「もう高校生だし、いちいち言わなくても分かってるって」 いつまで経っても、子ども扱いする母さんにちょっと反抗してみる。 すると、母さんはじっと僕の目を見た後、にっこり笑って、こう言った。 「ママにとっては、海琴も真奈ちゃんも、ずーっと子どもなの。 …あら、やだ!バスに乗り遅れちゃうわ! じゃあ、行ってきます」
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