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「私ですよ」
「私じゃわからないわよ…だぁれ?腋巫女?」
「誰ですか腋巫女って…私です。メアですよ妹様」
「む~…メアか~」
ひょっこりと姿を現したのはレティシアの妹であるルナ。
「はい。というより、この屋敷には妹様とお嬢様と私しかいないのですから…わかるでしょう」
「たしかにそうね。でもメア…門番のあなたがなんでここ(厨房)にいるのかしら?」
「お嬢様から夕食を作るよう言われましてね…メニューを何にしようか迷っていたたところなんです」
「お姉様が、ねぇ…で、そのお姉様はどこ?」
「お散歩ですよ。おそらく人里に向かったのかと」
「ふ~ん…」
レティシアが人里に向かった事を話すとルナは不機嫌そうな顔をする。
「どうかしましたか?」
「ううん別に。お姉様ったら、まだ人間なんかと付き合ってるのかしら…」
「人間なんかと言う言い方はどうかと。お嬢様は人間にも学ぶべきところがあるとおっしゃってましたが…」
「人間にぃ~?そんなのないよ。お姉様と私は吸血鬼である前に闇の精霊王とその妹よ?寿命もないし、力もある。どうみても人間より勝ってるのだから人間なんかから学ぶものなんてないわ」
「しかし…」
「それに、私たちが吸血鬼というだけで殺そうとしてくる人間を好きになんてなれないわよ。お姉様の気持ちが私にはわからないわ」
「…………………………」
メアはそれを仕方ないとも思っていた。自分たちが吸血鬼という種族というだけで無条件に殺そうとしてくる人間を好きになれる方がおかしいと思う。一般的に言えばレティシアよりもルナの意見の方が普通なのだから。
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