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母は父の後を玄関までついて歩いた。いよいよ父が扉を開こうとする時、母が口を開いた。「もうあんなニュース、見たくない…」「俺がそうはさせないさ」
「…いってらっしゃい」
扉が閉まった。
母は空気を吸ってから振り返り、来た道を帰り、リビングに向かう。リビングにつくと、長男が次男のこぼした牛乳を拭いている所だった。長男が口を尖らせて言う。「僕じゃなくて麻斗がやったんだよ!」
「かたしてあげられるなんて、偉いわね達樹」母は長男を手伝った。
「そこで、ジーシー製薬の澤村さんに訊ねました」
VTRが流れるテレビを、長男はなんとなく見ていた。
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