『スミレ』

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『スミレ』

 とても美しい  スミレ色の空を背に  あなたは言う  「もう終わりにしよう」  そして  くれた甘いキス  ねぇ本当に  これでお仕舞いにするなら  どうして優しいキスなんて  するの  ねぇ本当に私を  忘れようとするなら  どうして長いキスを  くれたの  あなたの背の空で  ゃがてスミレは枯れてゆく  そして  あなたの笑顔が  壊れてゆく‥  もし永遠に  忘れないようにと  してくれたキスだったなら  私は本当に  永遠を見たいと思うのに  「さよなら」言えない  あなたの代わりに  私が言おう  暗闇の中に漂う  甘い気配に  どれだけの蝶が  飛んで来たのでしょう  やがてスミレは枯れて  甘い香りだけが  二人を別つ。 .
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