明日香と菜月

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中学校からの同級生である菜月と明日香はいつも一緒にいた。 いろんな地域から集まった高校に入って、知り合いが菜月だけだった明日香は、彼女と一緒にいるのが当たり前になっていた。 お弁当は勿論、移動教室や、トイレでさえも一緒に行動していた。 しかし、長年一緒にいることで、明日香は菜月の欠点が気になるようになっていたのだ。 その一番の原因が去年の花火大会だ。 去年の花火大会は高校が同じである菜月と行った。 一緒には行ったものの、菜月は中学生のときに仲良かった友達を見つけては楽しそうに立ち話をしたり、屋台の若いお兄さんを見つけては話しかけたりで、結局明日香は菜月に「先に帰ってくれていいよ!」と言われた。 そう言われた明日香は菜月に対して腹が立ったが、その一方でやっと一人になれるという安心感もあった。 ただ、やはり花火大会は一人で行くような行事でもないので、一人になってしまった明日香は急に寂しくなって、すぐに帰ろうと思い、それから帰路についた。 そんなこともあって菜月とは花火大会に行きたくないという気持ちで明日香はいっぱいだった。
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