貴志と達也

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ファミレスでいつも通り働いていた桐島貴志は休憩時間、バイト仲間の橋本達也に声をかけられた。 「桐島ー。」 達也は何気なく聞いてるつもりだろうが、貴志は何か言いにくい用事だろうな、と思った。 「何?」 そんなことは全く思ってないかのように、貴志はなるべく普段通り返事した。 「あのさ、今年の花火大会って予定ある?」 達也は少し気まずそうに貴志に尋ねた。 貴志の予感は的中した。 ──やっぱり花火大会のことか 「ないけど?」 貴志は再びなるべく普通に答えたが、貴志にはまだ、達也が気を使っているように見えた。
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