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‡Said・Ouki‡
チチチッ、チチッ!
鳥の囀ずりが聞こえ、部屋に朝陽が入り込む。
『うー、うぅ…。』
「桜姫、早く起きてご飯食べなさい!」
『ん…く、あぁ?』
「おはよう、桜姫。」
『おはよぉ…。』
寝ぼけ眼で挨拶したのは、黒く長い髪がボサボサになっていて、前髪で顔が見えない少年。
フラフラとおぼつかない足取りで部屋を出た。
『お父さん、おはよう!』
「おはよう。目玉焼きとスクランブルエッグ…どっちがいい?」
『うーん…、スクランブルで!』
「了解~♪」
ジューっという音がして、美味しそうな香りが広がる。
「はい、出来たよ~!」
『ありがと。美味しそ~♪』
もしゃもしゃ食べ始める。今朝は、スクランブルエッグにトースト、ベーコンと牛乳。
完璧な洋風の朝ごはん。
桜姫は食べる手を止め、ふと思う。
『時雨とーさんや…。』
少しふざけていうと、クスクス笑ってきた。
「どうしたの?(笑)」
『お父さんってさ…、お母さんっぽくなったよね。』
………………………。
しばらくの沈黙。
「たぁっ!?」
『ちょ!?💦』
何を思ったのか、時雨が抱きついてきた。
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