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「こんにちは、雲雀、恭弥。」
「…君なんかと挨拶なんて、くだらない」
「それでも、まあいいかな」
目の前の男が渇いた顔で笑った。
紺の目は光を遮断しているかのように暗い。肩まで伸ばした髪は、黒髪だが光に当たる所は蒼くみえる。アジアとのハーフ、だろうか。
ともかく、喋り方といい炎といい癪に障る。
「ファミリー総出でわざわざイタリアまで…こんな所にいて平気?そもそも、あなたは大勢の中にいるのが嫌いじゃなかった?」
「君には関係ないよ」
「関係ない、かあ…じゃあこの話をしても?」
「…………どういうこと」
「あなた、日本に大事なもの置いてきちゃ、駄目だろう。いくら離したつもりでも、野放しのままでは意味がない。俺らがほっとくと思うか?」
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