【J】

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体に響くミュージック、色とりどりのライト、いろんな酒の匂い 気を使わないでいられる友達達。 何も考えずに呑めるこの場所、つまりクラブが大好きな自分。 煙草片手に友達の話しに相槌をうっていたら横から溜息。 俺の友達にはいろんな人種がいてそれが楽しい。肌の色とか瞳の色とか髪の色、性別なんか関係なく気を使わなくて楽しく呑めるそんな友達がほとんど。 だから今喋ってる友達も日本人ではない。だから何?喋っててすっげぇ楽しいし、 でも必然的に会話は英語になってしまうのは仕方ないことで、俺もどちらかというと日本語より英語の方が喋りやすいからついつい隣の存在を忘れて喋っていた。 したらこれだ。溜息。盛り上がっている空間でつまらなさそうな顔して溜息吐いてる奴。 ちょっとってゆうかだいぶ苛々したけど無理矢理連れてきた自分も悪いと思って、ちょっと気を使う。 「かめ、帰る?」 めちゃくちゃ気を使った。凄い優しい声で聞いた。何がいけなかったのか、 「…いい。」 そう言ってカウンターに行ってしまった。何にキレたのかが分からない。確かにかめを忘れて友達と喋っていたのは反省してるけど、そんな不機嫌にならなくてもいいんじゃねぇの? カウンターで一人で酒を呑んでいるかめを見て、勝手にすればいいと思った。 俺とかめは恋人じゃないんだ。そんな気を使うことなんかないんだ。ただ何回か関係を持ったことがある。それだけだ。 別にゲイじゃない。女だってガンガン抱くし、男となんて偏見はないけど自分がするとなると気持ち悪い。 でも何故かかめとなら出来た。遊びで誘ったつもりだったけど途中から本気になってしまって嫌がるかめを抱いた。 それから関係がずるずる続いてる。そんな感じだ。 久しぶりに夜はオフだった。友達からメールでクラブで呑まないか。そう聞かれもちろん。と答えた。でもかめとも一緒に居たかっただからかめも誘った。 かめは『嫌だ。』そう言ったけど無理矢理連れてきた。 友達とも居たいけどかめとも居たかったから。自分に我が儘になれって言ったのかめじゃん。だから我が儘になってお前を連れてきたんだよ。  
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