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とりあえずこの場はどうにかして切り抜け無いとな。
運良く愛佳ちゃんは少し離れた場所にいて俺達には気付いていない様子だし。
そもそも一度ウサギを触ったら中々他には目が行かない見たいだし、少し安心だな。
俺がどうやってこの場を切り抜けるか試行錯誤していると、姫路さんが改まった様子で話て来た。
「あのね……佐宗君。私言わないとダメな事があるの」
「な、何かな……」
俺は顔を引きつらせて聞く。
「あのメール……あなたをフる時に送ったメール」
……。
正直、完全に吹っ切れたわけでは無いから心が痛む。
忘れたい過去の1つである。
「あのメールね。実は私が書いたやつじゃ無いの!!」
「へ~……。……。はい?」
「私が友達にデートに行った事を話したら……「そんな冴えない男と付き合ってんの?ダメダメ!!夢歌にはもっと良いパートナーがいるって!!別れなさい」って言われて……無理矢理メールも送られちゃったの」
……。
俺は少しだけ間を開けて話した。
「そうだったんだ……んじゃあのメールは本心じゃ無いって事?」
姫路さんは申し訳無さそうに小さくコクリと頷いた。
俺の中で何かがフツフツと湧いて来た。
その何かは徐々に大きくなり、俺の心で大フィーバーを起こす。
やったぁぁぁぁぁあ!!!!
つまり姫路さんは俺の事嫌ったわけじゃ無いんだ!!
こりゃ今夜は宴だね!!
お祭り騒ぎじゃー!!
ってか姫路さんの友達!!
何ちゅう事してくれてるんじゃ!!
俺の周りの友達まともなヤツいないのか!?
そうだよ!!
姫路さん見たいな人がそんな酷い事するわけ無いじゃん!!
性格はおっとり、見た目もおっとりで目が少しだけ垂れ下がり。
虫も殺せない位生き物を愛し。
淡く艶やかな栗色の髪は俺の心を揺さぶる。
そして何て言ったってナイスバディ!!
お爺ちゃんが言ってた!!
胸がデカいオナゴに悪いヤツはおらん!!って。
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