夏の日

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ある夏の日のことでした。 空は雲ひとつなく、青く澄みわたっていました。 男の子は公園でブランコ遊びをしていました。 青のシャツに緑の短パン、頭には麦わら帽子をかぶっていました。 すると突然、   ビュー 風が駆け抜けました。 帽子は男の子の頭をはなれ、風に連れ去られてしまいました。 男の子は慌てて帽子を追いかけました。 帽子はハタハタときらめきながら、北の空にすうっと、消えていきました。 仲良しの友達が引っ越すときにくれた、大切な大切な帽子です。 男の子は泣きました。 帽子をなくした悲しみよりも、何もできなかった自分がたまらなく悔しかったのでした。 そのとき、フッ、と風が頭をなでました。 ヒンヤリと冷たく温かい感じがしました。
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