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嫌な夢を見てから、私はメイド服を着てメイドさんと朝食の準備を始める。
「おはようございます」
私がそう言うと家の同い年の男の子に花瓶の水を頭にかけられた。
「きゃ!やめて!」
私は言うが、男の子は笑っている。やめる様子も全然ない。
すると、家の奥さんが怒りだす。
もちろん私に。
「床が水浸しよ!早く掃除して!」
私は黙って掃除を始める。
「ドン」
男の子が林檎の背中を突き飛ばし口を開く。
「知ってるんだぜ…お前…捨てられてここにきたんだろ!」
「…。」
「お前、耳が尖っていて化け物なんだよな。みんな言ってるぜ~あははは!」
「………。」
私は怒りのあまり固まって手を止めた。
「バッシャ💦」
奥さんがコップの水を林檎にかけ、林檎の胸ぐらをつかみ林檎を地面に叩きつけた
「クッ…」
「アンタ、サボってないで、さっさと掃除しなさい。」
私は奥さんを睨みつけた
「なんだいその目は…私を誰だと思ってんだい?」
林檎は涙目で掃除を続けた
そして掃除が終わり台所に立った。
1人の若いメイドが林檎に近づきハンカチを差し出した
「はい。これ…」
私はメイドさんからハンカチを奪って濡れた所をふいた。
このメイドさんは私にいつも優しく接してくれる。
虐められている私のせめてもの救いだった。
でも私は知ってる。優しくされて裏切られる怖さは一番苦しい。
そして私はお礼も言わずハンカチを返した。
本当は、お礼を言いたい。
でも、期待して裏切られるのが怖い。
私の傷は癒える事はなかった。
私は、あれ以来1年間、誰とも口を聞いていない。
何も話さないせいかこの家の人達は余計に虐めを重ねた。
雇い主は愛人の家と家を往復している。家では気持ち悪い目で四六時中私を眺めてくる。監視カメラもセットしてある。
そして、「10年後には林檎ちゃんを恋人にしてあげるらねん。ンフフフ。」と顎を揺らしながら言ってくる。
いわゆる変態だ。
奥さんは高い値段で買った私が気にいらないらしい。
値段の元を取りかえそうと私をこき使いまくる。
息子は私を虐めたりするのが楽しいらしい。
本当に最悪だ。
はやく、こんな所、抜け出したいが首には居場所を確定できる特殊な首輪がしてある。しかも無理に外そうとすると爆発する。
メイドさんにも同じものがはめられている。私と同じ奴隷みたいだ。
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