幸、屍となる!

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 目を覚ますとそこは見知らぬ天井であった。というか距離が異様に近く見えた。  体の感覚も常時と違い何か違和感を感じていた。 「嗚呼、眠い」  第一声がそれである。健康的な社会人がそんな事では如何と言われそうである。  だが、唐突に聞こえてきた声は聞き慣れぬものであった。 「おお、大いなる魔神よ、私がそなたを召還したのだ。その体はお気に召したようで心底安心している。そこで一つ頼みたいことがあるのだが、どうか受け入れてくれないだろうか」  下方から細々と聞こえてくる声は青年を覚醒させるには十分だった。 「へ? 何言ってんの? 魔神? 何其れ美味しいの?」  青年、基、幸は無神論者であり、ファンタジーなんてものは更に縁の無いものであった。嫌いではないようだが。 「この国は今危機を迎えているのです。このままでは何れ滅びてしまうでしょう。そこで貴方様の力をお貸し願いたいのです。どうかその手腕で憎き輩を討って欲しいのです。何卒、何卒」
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