主、決意す

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 囂々と揺れる暗黒の空の下、形象はいびつながらもどこか壮美さを失わぬ牙城にてその城主が歩哨から定期監査報告を受けていた。 「申し上げます。帝国魔軍海兵大隊所属、甲貝族、妖魚族、人魚族小隊、以下族称を持たぬ少数部族出の中隊が魔海近郊にて壊滅」 「陸兵大隊所属、剣虎族、葬喚族、黒賢人族、角丑族、塵魔族、草魔族、炎殻族、以下族称を持たぬ少数部族出の中隊がほぼ壊滅」 「空兵大隊所属、雷鵜族、風鷲族、死蝶族、翼人族、以下族称を持たぬ少数部族出の中隊が壊滅。ですが、敵主要都市[キャパル]を壊滅に成したとの報告あり」 「ふむ。して、我が軍が被った総数は?」 「はっ! 陸兵三○○○、海兵二○○○、空兵五○○○。総数一○○○○の兵が服しました」  報告を続ける間、歩哨の顔は歪み今にも泣きそうになっていた。 「今回は常時より被害が大きいな。だがキャパルを落としたことは賞賛に価する。司令官に称を与えよ。散っていった部族の者達にも褒償金を与える」  歩哨が報告をとど凍り無く終え、その眼差しを主である城主に向ける。 「ご苦労。楽にして構わん」  城主からの命を受け歩哨達は緊張を和らげる。
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