主、決意す

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 暗黒の大地を統べるその男は市井の者達から帝王と呼ばれる偉大な存在。  のはずなのだが、歩哨の監査報告を受けた後自室へと向かい机の上でうなだれていた。 「代々続くこの戦、なんとか終わらせる手だてはないものか」  彼は本当は心優しき者である。幼少の頃は幾人もの兄弟達と戯れる程純粋な子供であった。  だが先代帝王が彼の地にて傷を負い、最寄りの町で息をひきとったとの凶報が城に舞い込む。  元々、帝位継承権第二十九位であった彼は到底帝王に成ることなど不可能に近かった。  だが、先代帝王である父が死んだ途端に帝位争いが勃発。心を許していた兄弟達に裏切られ、時には刺客が、時には毒が、唯一の味方であった側近の者も毒味にて死亡した。  彼は怒り、悲しみ、そして決意する。 「私が帝王になる」 と  時が流れ五十五いた兄弟はその数を減らし十二になった。  彼は言葉巧みに貴族につけいり見事に帝王の座を手にする。  だが、彼を待っていたのは途方もなく長きに渡る人との戦いであった。  
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