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(誰と話してんだ、あいつは?)
だが、永地の目には飛鳥一人しか映っていないようだった。しかし。
「……!…く、」
(!…目が…なんだ、痛ぇ…っ)
大和がこちらに気付いたのか、振り向く。
「!」
永地の目から、赤い鮮血が流れ落ちた。
息を呑み、木の影から大和の方を見る。
「見え…る………あれ…は…」
痛む右目に、漆黒の男が映った。
「……ほぉ、能力(ちから)に目覚めたか」
続いてクロノと呼ばれた男もこちらに視線を向ける。
「さぁ、出て来いよ」
近付いてくる足音に、永地の心臓の鼓動が自然と速くなっていく。
「さぁ、早く」
バッと木の後ろを見るも、そこにはもう誰もいなかった。
「…逃げた、か。お前の同級生じゃなかったか?飛鳥。あいつもお前と同じ…」
「……違う
年下だ」
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