2人が本棚に入れています
本棚に追加
何処かの路地を、一人の男が走っていた。
「はぁっ、はぁっ…くそっ!!」
何かに怯えたように走る男は、その体躯に無数の生々しい傷跡を残していた。
「-止まれ」
瞬間、重く静かな声が路地に響き渡った。
振り返れば、黒い刀を持った人影が見える。
その闇のように黒い刀は、刀身を光らせ、獲物を待っているようだった。
「くっ…!何なんだよ、お前……!!」
革靴に巻かれたアクセサリーが、チャリ、と鳴った。
「お前の罪は数えて3つ-…残された選択は…死のみ」
その影は、男の質問に答えることなく、相手の眼前に構えた刀を無情にも振り下ろした。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
最初のコメントを投稿しよう!