第1話

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爽やかな朝、街道は学校に登校する生徒たちで賑わっていた。 「飛鳥!おはよっ!」 よく通る声に後ろを振り向けば、そこにはよく知った幼なじみが立っていた。 「今日は早いんだな、理恵」 「まぁね」 自信たっぷりに言う彼女に、つい笑みが零れる。 「いつも遅刻ギリギリなのに」 「なっ…もー!酷いっ」 「あれー?兄貴たち…」 背後から聞こえた声に、飛鳥と理恵は、立ち止まる。 嫌みな笑みを浮かべながら近づいて来たのは、大和だった。 「お二人で仲良く登校ですかー?」 「大和!」 「バカなこと言わないで!」 「兄貴もさ~いい加減素直になれば?」 そんな他愛もない朝のやり取りが、彼等の日課であった。 --俺たち三人は幼なじみで、高校まで同じという、腐れ縁の仲だった。 理恵は同級生の幼なじみ。 大和は一つ下の俺の弟。 ただ毎日一緒に居て。そんな毎日が楽しいんだと、確かに俺はそう感じていた。 あの日までは…。 楽しく談笑しながら登校する三人の中で、ただ一人、立ち止まる者が居た。 革靴に巻かれたアクセサリーが、チャリ、と鳴った。  
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