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「プレイ!」
一陣の風がマウンドを通り過ぎた。親父もこんな気持ちだったのかと思うと、不思議な気分になる。
後ろを振り返る。そこには4-3と表示された電光掲示板があり、必死の応援を続けてくれている観客がいる。
そして信頼できるチームメイトが。
「さあ来い!遊び球無しの三球勝負や!!」
縫い目にそって指で挟み、振りかぶる。
全身から生み出された力が右腕から放たれる。
親父が、そして俺が信じるそのボール。
ーーフォークボールを、もう一回。
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