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夏の熱気が頬を撫でると、観客の声援が耳に戻ってきた。
ーーそうだ。そうだった。俺はフォークボールでここまで来たんだ。今更何を迷う必要があったんだ。
「純也、待ってくれ」
「なんや?」
腹は決まった。迷いなどもうない。
「ラスト、全部フォークでいく」
「アホかお前!? どこにそんな体力が残っとる? 投げたとしても、コントロールが付く訳ないやろ?」
「いや、フォークでいく。全部お前のミットにぶち込んでやるよ」
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