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「チェルノブイリ原発事故」と聞いて、すぐに何のことか分かる人は、恐らく今、日本の若者の中にはあまりいないと思います。
私がこの事故について初めて知ったのは中学一年の時で、この事故の再現ドラマがテレビで放送されていました。しかし、私はその時この話はフィクションだと思い込んでいました。あまりにも現実離れした話の内容だったからです。そして、私は最近になってこの「チェルノブイリから広島へ」の本を読み、以前見たテレビの話が実話だったことを知りました。その時は本当に、心の底から驚きました。
「チェルノブイリ原発事故」とは、一九八六年四月二六日未明に、旧ソビエト、現在のウクライナで起こった、史上最悪の原子力事故です。原子炉の爆発によって、広範囲に大量の放射性物質が放出されました。この量は広島に投下された原子爆弾による放出量のおよそ五百倍とも言われています。政府の対応が遅れたために、一般市民もこの大量の放射能を浴びてしまいました。しかしながら事故による死者は、この本が書かれた一九九六年の時点で、公式に認められ発表されたのはたったの三十一人です。事故から十年後ですら正確な数が公表されていなかったのです。実際には、その何十倍、何百倍の尊い命が失われたと言われています。事故の原因は原子炉の動作実験が行われた際、作業員の不適切な対応があったためと考えられていますが、未だに真実は分かっていません。二十年経った今でも、被害や原因などはっきりとしていない部分が多いのです。
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