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お前を連れてったるわ。ええか?」
少年は脅えながらも、ゆっくりと頷いた。
「よっしゃ、ほな背中に掴まり」
天丸は少年を立たせると、少年に背中を向けてしゃがみこんだ。
しかし少年は掴まろうとしない。
どうやらまだ怯えているようだった。
「早よ掴まり。家帰れんくなってもええんか?」
「や…やだ!」
「そやったら早よ掴まり」
天丸が促すと、少年は諦めたかのように、背中にしがみついてきた。
「よっしゃ!ほな行くで!…っと、まだ名前聞いとらんかったな。ボウズの名前なんや?」
「僕…光明っていいます」
「光明か…ワイは天丸や。よろしくな!ほな光明、しっかり掴まってるんやで!」
背中に抱えた光明に声をかけると、天丸は、闇夜の森を飛び立った。
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