天狗の弟子に

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滝から落ちる水音が聞こえる。 小鳥達の鳴く声が聞こえる。 ゆっくりと目を開けた光明は、太陽の眩しさに目を細めた。 なんだか頭がクラクラしている。 光明は、わけがわからずに、ただ寝転がったまま、ボーっとしていた。 「おぉ!自分で目ぇ覚ましよった!」 不意に天丸の声が聞こえた。 光明は頭だけ、声のした方へ向けると、そこには自分を眺めている天丸と天狗の姿があった。 「無事、試練を乗り越えたようじゃな」 今度は天狗が口を開いたが、光明に答える気力はなく、ただボーっと二人を眺めているだけだった。 「なんやコイツ、ボーっとしとんな」 「無理もあるまい…幻の世界をさ迷えば、かなりの精神を消耗する。そのうえ、この者は試練を乗り越えた。使った気力は、並大抵のものではないはずじゃ。しばらくこのまま休ませてやろう」 「おい光明、そのまま目ぇ閉じて寝とき」 答える気力も、立ち上がる気力もない光明は、天丸に言われるままに目を閉じた。 途端に急激な睡魔に襲われ、そのまま光明は、深い眠りへとおちていった。
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