プロローグ

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ふと顔をあげてベランダの方を みると 目の前に広がる建物が 濃いオレンジ色に染まっていた そして何処からか 夕方6時を知らせる 優しい音楽。 (もうすぐか…) カーテンを閉めて リビングの電気をつける。 テーブルには 6人分の料理、箸、コップが 用意されていた。 部屋のドアには 『WELCOME!』 と書いてある木の板が 吊り下げられていた。 先程のカーテンには カラフルな飾りが 施されており リビングを一層鮮やかにした。 只今の時間は デジタル時計で18:37を表している (ジュースもお酒も買ったし、良いな。) ソファーに深く腰をおろし ふぅっと息吐いた。 と、同時に。 「ピンポーン♪」 玄関のチャイムが鳴った。 (来た。) 急いで玄関に行き鍵をあけ ドアを前に押す。 「あ、咲夜こんばんは~」 「よっ!お久っ!咲ちゃん!」 二人の若い後輩がヒョコッと顔を 覗かせた。 「こんばんは。裕【ユウ】葵【アオイ】」 すると二人の後ろから声がした。 「お?咲夜…お前背伸びた?」 「こんば…あ、ホンマや。伸びとるわ。」 こちらは一つ上の先輩二人組。 「あ。零次【レイジ】さん雲美【クミ】さん。こんばんはー。僕?伸びましたか?」 「うん。なんか見ない内に結構伸びたな。」 「そのうち俺ら越すんちゃうかー!」 「そ、それは無理ですよっっ。二人とも高いんですから。」 「ははは。そうか?じゃぁ上がらせてもらうよ。」 「どうぞ。」 「おじゃましますわ~。」 部屋に戻ると、皆すでに それぞれの席に着いて ジュースやお酒をあけていた。
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