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「それとも、嘘ついたまま誰かと結婚して、子供つくって、家族ごっこする、それがあんたの望む幸せなわけ?」
肩がビクッと震えた。
心臓がゾクリと嫌な音を立てる。
呼吸が苦しい。
壁に光を送っていた太陽が雲に隠れ、部屋の色を一瞬でグレーに変えた。
「それが、あんたがなりたい普通の男?
バカじゃないの。
笑っちゃうわよ」
語気を強めて真希が言い放つ。
僕の心臓目掛けて。
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