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「行こっか」
「うん」
僕が促すと、彼女も押し出されるようについてきた。
後ろを振り返りながら訊く。
「ごめん。速い?」
「ううん、大丈夫」
笑って返す佳奈衣の歩みは、小走りに近い。
大学の中でも目立つほどチビな女の子。
色白で、目がクリクリしていて、頬がぷくっと丸いモルモットみたいな佳奈衣。
どう控え目に見ても、かわいい。
講義中に隣に座っていると、男子学生の大半は恨めしげに僕を監視してくる。
この間の告白にしたって、いったいどれほどの男たちが地獄耳に入れたことか。
考えるだけで寒気がしてくる。
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