鬼と悪魔と準レギュラー

2/5
前へ
/32ページ
次へ
次の日の朝。 「…おい、樫木」 「母上…?もう少しだけ寝かせて…」 「誰がお前の母だああああ!」 いきなり近くで叫ばれて驚いた私は、布団から飛び起きる。 「お、鬼方さん…」 「今鬼方っつったな?鬼方って言ったよな?」 「あ、すみません。土鬼さん」 「まったく変わってねえよ!?鬼の位置を変えただけじゃん!?」 このやたらとつっこんでくる青年は、鬼…もとい、土方歳三。 なんていうか、初めて会った時から眉間に皺を寄せて、性格も鬼だもんね。顔はいいのに…もったいないな。 「お前仕事はどうした?」 「仕事?…ああ、朝ご飯作らなきゃ☆」 「『作らなきゃ☆』じゃねえよおおお!早く作れええええ!」 「えー、まだ眠いのに」 土方さんに布団から投げ出されたので、台所へ行く事になった。 廊下を歩いていると声を掛けられた。 「樫木君、土方君に怒られたんですか?」 「そうなんです…」 さっきの鬼と正反対の仏、山南敬助さん。この人は優しすぎる。 「ふふふ、土方君は厳しいけど頑張ってくださいね?」 「はい!」 そんな嬉しい言葉を貰って、山南さんと別れた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加