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次の日の朝。
「…おい、樫木」
「母上…?もう少しだけ寝かせて…」
「誰がお前の母だああああ!」
いきなり近くで叫ばれて驚いた私は、布団から飛び起きる。
「お、鬼方さん…」
「今鬼方っつったな?鬼方って言ったよな?」
「あ、すみません。土鬼さん」
「まったく変わってねえよ!?鬼の位置を変えただけじゃん!?」
このやたらとつっこんでくる青年は、鬼…もとい、土方歳三。
なんていうか、初めて会った時から眉間に皺を寄せて、性格も鬼だもんね。顔はいいのに…もったいないな。
「お前仕事はどうした?」
「仕事?…ああ、朝ご飯作らなきゃ☆」
「『作らなきゃ☆』じゃねえよおおお!早く作れええええ!」
「えー、まだ眠いのに」
土方さんに布団から投げ出されたので、台所へ行く事になった。
廊下を歩いていると声を掛けられた。
「樫木君、土方君に怒られたんですか?」
「そうなんです…」
さっきの鬼と正反対の仏、山南敬助さん。この人は優しすぎる。
「ふふふ、土方君は厳しいけど頑張ってくださいね?」
「はい!」
そんな嬉しい言葉を貰って、山南さんと別れた。
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