教会と過去

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「へぇ」 その古い教会は静かに佇んでいて、 人が居る気配など全くなかった。 「なんか来年、取り壊されるらしいよ。 古いから新しい場所に移すんだって」 「へぇ、そうか」 俺はなぜか、 その教会からしばらく視線を外せなかった。 「ねぇ、ちょっと入ってみてもいい?」 俺と光は鬱蒼と生い茂る草を踏みつけながら、 その教会に入った。 中に入ると、 高い天井と、古くさびれたステンドグラス。 そして正面に、 大きな十字架がかかげられいた。 教壇の上には、 びっしりと白い埃がつもっている。 「聖、くん?」
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