教会と過去

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「ん?」 光の顔を見下げると、 不安そうな顔をしている。 「何か、あるの?」 「いや。 俺の親父、クリスチャンだったからさ、 教会にはよく来てたんだ」 「そうなんだ」 「よく親父と一緒に行ったなぁ、と思ってさ」 俺は正面に堂々と掲げられた、 十字架を見上げた。 あの時、親父と一緒に何回も見た十字架は、 凄く神秘的だった。 心のどこかで、 強く惹かれている自分がいた。 親父はいつも、 十字架の前で祈ってた。 そして幼かった俺もそれを真似て、 お祈りのまねごとをしてた。
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