第四話

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トラスはそれを慰め、想いを打ち明け、生涯支えることを約束した。その真摯な態度に、メイヤも素直に受け入れてくれたのだ。 「てか、兄さんって…」 「何だ?」 「何で、今まで結婚してなかったんだろう?」 「何でって、必要が無かったからな」 「うん、まぁ、寿命長いから、いつでも出来るってのは解るんだけど…」 「何が言いたい、はっきり言え」 「意外に女性の扱いが巧かったんだなぁ、と」 「おい…」 ラシルと違い、闇の館で多人数で暮らしてきたトラスは、人との付き合いに長けていた。男女問わず付き合い方を心得ている。 それは長として必要な資質でもあったが、ラシルにはまだまだな部分でもあった。 ただ、まさか、こういう場面できっちり決められるとは思わなかったラシルは、悩んだ分トラスをからかっていた。 「人生経験の違いだな」 「はいはい…俺の倍だもんね。考えてみたら、結構な年の差だよね」 「まぁな」 魔法使いであるが故の年齢差だった。 普通の民なら、兄弟というより親子だった。 「てことは、俺が長を継ぐまで、そのぐらいの期間が必要ってこと?」 「さぁ、お前次第だろ?」 「う……」 「お前なら、私より成長が早いから、そのうち追い付くさ」 と、トラスはラシルの肩を叩いた。
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