第四話

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「ラシル、お前だって同じことをしようとしてただろう」 「…」 「お前も子供のために、自分を犠牲にすることに躊躇いは無かった。だから、父さんの気持ちは理解できるはずだ」 「…父さん」 ラシルは両手で顔を覆った。涙が止まらなかった。 結局、子供を護ろうとしたラシルも、また、父に護られたのだ。 「ラシル…私が闇の長を継いで、お前が光の長になったら、二人で父さんの願いを叶えよう」 かつて、カルンを通して伝えられた言葉があった。 …光と闇の長を継ぐ者たちへ 魔法使いの未来を頼む… 史上初の兄弟での長の継承、調和の乱れた魔法使いの新たな歴史の第一歩となるはずだった。
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