1007人が本棚に入れています
本棚に追加
「ラシル、お前だって同じことをしようとしてただろう」
「…」
「お前も子供のために、自分を犠牲にすることに躊躇いは無かった。だから、父さんの気持ちは理解できるはずだ」
「…父さん」
ラシルは両手で顔を覆った。涙が止まらなかった。
結局、子供を護ろうとしたラシルも、また、父に護られたのだ。
「ラシル…私が闇の長を継いで、お前が光の長になったら、二人で父さんの願いを叶えよう」
かつて、カルンを通して伝えられた言葉があった。
…光と闇の長を継ぐ者たちへ 魔法使いの未来を頼む…
史上初の兄弟での長の継承、調和の乱れた魔法使いの新たな歴史の第一歩となるはずだった。
最初のコメントを投稿しよう!