駅員×大学生

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その駅員さんと入れ替わりのように入って来たのは見たところ車掌さんのようだった。 「いやー、よく寝てたねお客さん」 「あっ、あのここは本当に△△駅なんですか?」 「本当だよ」 にこ、と人の良さそうな笑みで言い切った車掌さん。なんとここは始発駅・終着駅でありながら殆ど人なんていない、というか無人駅一歩手前の△△駅だという。 頭を抱えたくなった。こんな時間に友達をこんなところには呼びつけられないし…と、仕方なくタクシーを呼ぼうと財布を覗き込むも、正直メーターが一回でも回ったらアウトなぐらいしか入っていなかった。 「すみません、ATMって近くにありませんか?」 「あー…」 そう聞けば、ちょっと気まずそうに車掌さんは言葉を濁した。 「見たほうが早いかなぁ?」 「?」 こいこいと手招きをされて駅から一歩外に出る。するとそこは、 「…なんもない」 街灯一個、家一軒の灯り、勿論24時間無休である筈のコンビニの灯りすらなかった。 「ここ、本当に田舎なんだよね」 ごめんね、しかも駅は鍵閉めちゃうから寝泊まり出来ないんだ、と謝られてしまった。 .
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