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「うう゛~ん」
ずきずきと頭と首が痛む。二日酔い以外の痛みに苦しみながら必死に目を開ければそこは見知らぬ部屋。
「…………拉致っ!?」
「阿呆が」
「えっ和さんが犯人!?」
「もう一回ねんねしたいか?」
そういって笑う和さんは目が笑ってなくてすみませんすみませんすみませんと土下座すれば、分かればいいと水を差し出される。
「二日酔いと優さんの手刀のせいだからまず水飲め」
「…………………はい」
手刀という単語が物凄く気になったが触らぬ神に祟りなし。聞かなかったことにした。
「ここは和さんの家ですか?」
「ああ、他は全員家分かるから帰したり送ったりしたんだがお前の家知らなくてな」
「へー…綺麗ですね」
どこもかしこもピッカピカで、もしかして…という考えが首をもたげる。
「和さん、彼女がいたたたたたたっ!!!」
「ごめんごめん、聞こえない」
「頭が痛い痛い痛たたたたたたっ!!!!」
和さんのおっきくて男らしい手が俺の頭蓋骨を鷲掴みするせいでみしみし鳴ってます。
「かっ和さんすいません!嘘ですジョークですごめんなさいっ」
「分かればいい」
パッと手が離された瞬間、止まっていた血が巡り出した。
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