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イカ臭い部屋に、翔ちゃんがお泊まりに来た。
「おっす…」
「あ…い、いらっしゃい、ドウゾ」
「なんだよ改まって」
「い、いや、チョット待って、マド開ける…」
「なんかゴメンな」
やばい、恥ずかしい。いや、恥ずかしいというより気まずい。
気まずいっていうか…ああ、もう最悪…。
ゴメンって、気ィ使わせてるし。
なんかちょっと気まずそうに笑ってるし。
「こんなん読んでんだ」
床に置きっぱなしのエロ本を見て翔ちゃんが言った。
「欲しかったらあげるよ」
「いらねぇよ、俺の趣味じゃない」
「翔ちゃんの趣味って、どんなの?」
「んー…人妻?」
うわー、マジか。っぽいけど。
「ぶっさんはどんな趣味なんだろうね」
「え…」
「ギャル系とか?ブロンズ系とかも好きそう…金髪で巨乳で…」
そうだな、水着とかも好きそう。トップレスとかたまんない。
あ、コレ俺の趣味じゃん。
「…ねえ、まさき」
「なに?」
「……やっぱり…なんでもない」
「なんだよ、言ってよ」
「言いたいこと忘れちゃったの」
ウソつけ。なんか隠してるな。
でも、こういうウソをつく時の翔ちゃんは「気付いて欲しい時のウソ」のつき方なんだよね。
「じゃあ、思い出したら教えてね。いつでもいいからさ」
「…うん」
そういう翔ちゃんがなんだかしょんぼりしてたから、頭を撫でてあげた。
たまに、こうして翔ちゃんの頭を撫でてあげる。
中学の時に翔ちゃんが学校の備品を壊して、黙って帰ってきちゃった時があった。
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