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高校3年
インターハイ予選も終わり、予選敗退した俺達3年は部活を引退。
そろそろ本気で受験勉強に力を入れないといけない、そんな時期
「まさき、第一志望決まった?」
「ん…まだ。翔ちゃんは?」
「東京の私立の大学」
「そっか」
じゃあ、高校卒業したら離れちゃうね。
翔ちゃんは地元から離れることに、そう抵抗はないみたい。
ただ、実家から早く離れたいっていう理由もあるんだろうけど。
「俺、今から勉強して受験までに間に合うかな…」
なにしろ、今まで部活ばっかりでちっとも勉強なんてしてこなかった。
定期テストですら平均点はおろか、赤点ギリギリの点数ばっかりで
内申もそんなに良くはない。
「大丈夫だよ、俺が勉強みてやるから」
「いいの?勉強の邪魔にならない?」
そんなこと気にする仲でもないだろ、って翔ちゃんが笑った。
「そうだね、俺と翔ちゃんの仲だもんね」
翔ちゃんとは、小中学校もずっと一緒の、いわゆる幼馴染。
家が近所で小さいころからよく遊んだ。
ウチに泊まりに来ることもしょっちゅうあって、なにをするにもいつも一緒だった。
俺は翔ちゃんの事なんでも知ってるつもりでいたし、翔ちゃんも俺のことならなんでも知ってるって思ってる。
お互い信頼しあってるし、隠しごとだってしない。
‘親友’そう呼べる存在は翔ちゃんだけだと思う。
いや、兄弟同然といってもいいくらい
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