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そんな翔ちゃんと
「離れるのは辛いなあー」
自室のベッドにあおむけになって、そう呟く。
「にぃ?」
「なんだよ、勝手に部屋に入ってくるなよ」
「マンガ貸して」
「ゆう、聞いてんの?」
「にぃ、ジョジョ貸して」
聞けってば
「…翔君と離れるの、辛いの?」
聞いてたのか。
「うん、東京の大学行くんだって」
「へぇー、寂しくなるね」
「……そう思う?」
ゆうは俺の弟、4つ離れてる。
「ずーっと一緒だったもんね。急に離れたら寂しいよ、そりゃ」
兄弟同然の翔ちゃんは、俺達の生活に浸透し過ぎていた。
「寂しいからって翔君が東京行くの止めちゃダメだよ」
「そんなことしないよ」
妙に大人な意見を言う弟だ
「にぃも勉強しなくていいの?」
そう言って、ゆうは本棚からマンガを3冊ほど取って部屋を出て行った。
まだ一度も受験経験したことないくせに…
勉強の事は言われたくない!生意気なヤツ!
そう思いながら本棚から参考書を取り出そうとした。
「アレ…」
なんだよアイツ、ジョジョ貸してとか言って、きんにくマン持ってってんじゃん
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