第一章『絵本の国』

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「リメエア様なら、先程外出されましたよ?」 善意から言ったのであろうが、そんな事は分かりきっているリーバーにとっては、ただうんざりするだけだった。 「リメエア様に何かご用がありましたら、後で伝えておきますが」 (確認だけだったので、用と言う用も無いのだが……) そう考えていたリーバーは、ふと何かを思い付く。 「いや、結構。それよりご令嬢?」 「はい?」 「リメエア様はどちらに?」 メイド嬢は少し考える様な仕草を取るが、すぐに顔を上げる。 そして首を振り。 「いえ、私は存じておりません」 「そうですか、お手間をかけました」 「ただ……」 「ただ?」 「市街地へ遊びに行く、と言っていた様な……」
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