第一章『絵本の国』

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それを聞くと、リーバーはニコリと微笑む。 不意を突かれたメイド嬢は、少し頬を赤らめる。 「そうでしたか、それだけで十分です」 笑顔を振り撒き、軽く会釈すると、リーバーはその場から立ち去る。 そしてしばらく長い廊下を歩いて行き、周りに誰も居ない事を確認すると、懐から通信用の霊装を取り出す。 「市街地警備中の憲兵隊に告げる」 リーバーの表情は先程の笑みのまま固まっている。 リーバーは続ける。 「リメエア様が逃げ出された」 輝く銀の甲冑に似合わない、悪ガキの様な笑みを浮かべ、 「分かるな? 今日こそリメエア様を捕まえろ!」 相手からの返事を待たず、リーバーは一方的に通信を切る。 そしてヘルムを着け直すと、自らの職務を果たす為、今来た道を戻る。 わがまま王女を捕まえる為に。
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