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それを聞くと、リーバーはニコリと微笑む。
不意を突かれたメイド嬢は、少し頬を赤らめる。
「そうでしたか、それだけで十分です」
笑顔を振り撒き、軽く会釈すると、リーバーはその場から立ち去る。
そしてしばらく長い廊下を歩いて行き、周りに誰も居ない事を確認すると、懐から通信用の霊装を取り出す。
「市街地警備中の憲兵隊に告げる」
リーバーの表情は先程の笑みのまま固まっている。
リーバーは続ける。
「リメエア様が逃げ出された」
輝く銀の甲冑に似合わない、悪ガキの様な笑みを浮かべ、
「分かるな? 今日こそリメエア様を捕まえろ!」
相手からの返事を待たず、リーバーは一方的に通信を切る。
そしてヘルムを着け直すと、自らの職務を果たす為、今来た道を戻る。
わがまま王女を捕まえる為に。
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