Act.1 -日常-

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改札を抜けたあたりで俺達は別れる。 「兄ちゃん、じゃあ、お昼にメールするねっ」 いつもの決まり文句。 しかも本当にメールしてきて、うっかり返信し損ねたりでもすればまた頬を膨らませて怒ってしまう。 冷静に考えれば、かなり扱いづらい種類に入るのかもしれない。 けど、俺はそれでもいい。 禁断の恋愛だけれども、結婚とか、そういうのではなくて ただ一緒にいたいだけであるから。 七海の性格なんぞ、俺は全て愛している。長い髪を翻してこちらに振り向き手を振る姿も、その笑顔も。
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