Act.1 -日常-

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「お、彼女とメール?」 後ろから、同僚(男)がいきなりそう言ってきた。 相も変わらず気配を消せるこいつは、立花 充(ミツル)と言う。 「あ、ああ。まあ」 急いで携帯を閉じ、スーツの内ポケットへしまう。 すると立花は怪しい笑みを浮かべた…かと思ったら深いため息をついた。 「いいよなぁ井川は。可愛い妹がいる上に彼女まで」 彼女=妹なのだが…。 それを言う訳もない。 「立花には姉がいるだろう。アプローチしてみたらどうだ」 そう提案すると、立花は青ざめた顔で首をぶんぶん横に振った。 「ふざけんなって…あんな暴力姉貴…」 「Sだと言ってやれ」 「言ったら殺される…」 立花は立花で大変な家庭のようだ。俺達とは逆だ。
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