Act.1 -日常-

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「ありがとう…」 俺の手のなかで、七海はくしゃっとした笑顔を見せた。 「…俺も、言われた」 俺は、静かに切り出した。 不思議そうな表情で俺を見てくる七海を見ると、これ以上言いたくなかった。 「立花が…七海に会いたいらしい」 七海の表情が凍りつく。 そして、うつむき 泣いているかのような声で、小さく喋り始めた。 「…一回、離れよう…私達。じゃないと…今のままの私じゃ…兄ちゃん傷付けちゃう…」 下を向いたまま、七海は俺に背中を向けた。 「あっちの車両に…乗るから…。付いてこないで…」 俺は言葉が出せないまま、そこに立ち尽くしていた。
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