Act.1 -日常-

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いったはずだ。 しかしそれをたった今目で確認できた。つまり… 「…!」 七海は電車に乗っていない。 進んでいく景色の中で、確かに見えた。あの黒髪と顔は七海に違いない。 なぜ、乗らなかったんだ。 携帯を開いても、メールすら来ていない。 ここまでお互いに溝を感じたのは初めてだった。 やはり兄と妹だからダメなのだろうか。 七海の言う通り、一回離れたほうがいいのだろうか。 七海には立花と…そして俺は七海の友達とデートを…。 七海は今どう思っているのだろうか。やはり、決断したのだろうか…。 だとしたら七海は俺より遥かに成長している。 小さい頃はついてこいと言っていた俺が、今ではついていく立場になっていたとは…。
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