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無事、電車が来る前に駅に着くことができた。
「もう…バカっ」
ジャンプしながら、俺の頭をポコンと叩く七海の首には、俺が5年前に贈った子グマにルビーがあしらわれたネックレスがあった。
俺も、七海に貰ったネックレスを今でも着けている。
「はは、ごめんごめん」
笑って返した。
頬をぷくっと膨らませて怒った七海は、俺のわずか先をスタスタ歩いていく。
あの頃とは違う、背中の真ん中あたりまであるロングヘアー。
雪の中で倒れ、その後の暗闇で見た七海の姿と全く同じだった。
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