兄ちゃんへ。

Act.1 -日常-

とは言っても、降りる駅は近い上に俺と同じだから、すぐに慣れるとは思うが。

「すぐ慣れるよ」

そう言ってやると、七海はむーっとした顔で

「無責任ーっ」

と言った。
慣れるかどうかに責任を持つ時点でおかしいと思うのは俺だけだろうか。

「なにをー」

少し反抗してみせた。
すると、七海は携帯をいじり出した。会話の途中ではなかったのか。

少しして、俺にメールが来た。

「そういう所も好きだよ、兄ちゃん♪」

と書いてあった。
みるみるうちに俺の顔が火照っていく感じがした。