第一章 雨降り下校時間

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「うわっ、雨降ってるし…」 昇降口から外を見れば、パラパラと雨が降っていた。 まだ、霧のように小降りではあるものの、いつ強くなるかわからない状況だ。 「やべー…俺、傘持ってきてねーや…」 今更に朝、天気予報を見ておけばよかったと後悔した。 「どうした?時雨」 後ろから声をかけられたので、振り返ってみれば、そこには同じクラスの里山 雅樹[サトヤマ マサキ]、通称 ママキが立っていた。 ちなみに俺は、海藤 時雨[カイドウ シグレ]。 高校三年です! 性格は、貴方次第! 「ん?なんだ…ママキかよ…」 「何で俺だとそんなガッカリすんだよ!!せっかく心配して、声かけてやったのに!!」 「へーへー(ったく…、うっせぇ奴だな…)」 「今、心ん中でうぜーと思っただろ?」 「いや…思ってねぇ(ギクッ、こいつテレパスかよ)」 雅樹って、何時もうっせぇんだよなぁー。 解ってる事をわざわざ説明するし…第一、こいつの言った言葉に感心した事が一度もない…。 てか、ぜってぇねーと思う…。 .
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