第一章 雨降り下校時間

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「さて、どう帰ろうか…」 帰るための手段として、俺はいくつか案を出した。 その①、とにかくひたすら死ぬ気で走る。 は、前だけ塗れそうだし…、第一疲れる。 その②、あきらめて歩く。 なんか自分の姿が惨めで嫌だ。いかにも『俺傘ありません』って言ってるみたいで…。 その③、雨が止むまで待つ。 いつ止むかわからないし、下手すりゃ夜になる。 その④、ゲッちゃん(担任の先生、23歳の男)に土下座、でもって車で送ってもらう。 フッ…、絶対無理だな、てかこっちからお断り。だってケチだし、ゲイだし、変態だし…(一回襲われそうになった事のある高3の春、今でも時々…)。勘違いはするな。俺は正常で健康な男子であり、ゲイでもバイでもない。そして、恋人もいない。 その⑤、カバンを傘代わりにする。 教科書ビショビショ…あ、でも置き勉すればいっか。 その⑥、どこにでもあるような燃えるゴミ袋をかぶる。 自分が燃えるゴミと間違いられそうで怖い…。そして、アホらしい。 .
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