However

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それから俺達は、頻繁に話をする様になった。って言うか、彼女に『大丈夫』って笑ってもらいたくて、俺が積極的に話しかけてただけだけど…。 「ねえ」 彼女に呼ばれ、俺は振り向いた。 「今日、暇?」 「うん」 今日に限らず、基本的に用事は作らない。 「じゃあ、仕事終わったら…ちょっと良いかな?」 「分かった」 何だろう?彼女から俺に用事なんて、珍しいな…。 終了後 「どうしたの?」 俺達は人気のない給湯室にいた。 「私さ……いや、やっぱ…何でもない」 「は!?」 何なんだ…って言うか…何だろう…この気持ち…。心地良い息苦しさと言うか、何て言うか…。 「じゃあその代わり…俺も良い?」 「何?」 やっぱ、そうなのかな…?俺にとって彼女は… 「今気付いたんだけど…好きかも」 「は!?」 彼女は俺と同じ反応を見せた。 「あ…私も…それ言おうとした」 そう言って彼女はそっぽを向き、黙ってしまった。 「…ホントに?」 俺は信じられなかった。でも、彼女のこの様子を見ると、本当なんだろうな…。 「うん…」 彼女は俺に向き直った。 「私の恋人でいて下さい」 そう言って、俺を上目使いで見つめる。 「…はい…」 俺は柔らかく微笑んで答えた。 数日後 「最近、調子いいな」 部長が俺に話しかけた。 「はい、お蔭様で」 俺達は付き合ってからというものの、仕事の実績がどんどん上がっていった。俺達は目配せをすると、笑い合った。 「この調子でな」 部長は俺の背を叩くと、どこかへ消えた。 「良かったじゃん」 彼女はそう言って笑った。 「うん、君のおかげかな」 「何言ってんの、会社で惚気んな」 口ではそう言いつつも、表情は嬉しそうなままだった。
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